品物をシナモンと読み、シナモンと同じアクセントのあなた。その全部を好きなんです。
靴下の表裏を反対に家を出てしまいました。誰にも気づかれない恋に似ています。
ものの本企画ウェブサイト公開十周年です。惰性もいつか衰えます。
りんごとみかんは比べられない。こんなフラれ方があるのですね。
愛に歳の差は関係ないと説くあなたと同い年なのでどうしたらいいですか。
台風一過。晴れているのは恋を知らない空だけです。
涙が出ない悲しみ。それは悲しみではなく孤独でした。
公園で落としてしまったわらび餅は、やっぱりわらび餅のままでした。
ぼた餅の季節が来たと言うあなた。あなたの心の内は永久に知れません。
思い出に生きるのではなく、思い出が今を生きるのです。
言葉だって、質量と重さは違うんです。ふたりの間に働いている力を知ってください。
洗濯物を洗濯機の中に忘れたまま家を出るくらい、仕合わせに慣れていないんです。
花を見るのは好きじゃないと言うあなた。咲く前から散る花もあるのですね。
今週は会えない。今週は雨、みたいに言うから余計に恨めしくて。
天気予報を予想するあなた。雨に濡れるのはあなた。
今年もあと一週間です。ということは、来年はまだ丸々一年間あります。
健診の予約しか予定のないスケジュール帳を誰も笑ってくれない。
ものの本企画ウェブサイト公開九周年です。当たり前ですが来年は十周年です。
夏のはじまりはあれほど澄んでいたのに、おわりはいつだって雨。
みたらし団子の四玉目と五玉目に罪がないことはもちろん知っています。
どれだけ暑くても暑いと口にしないあなた。好きも嫌いもですか。
あなたの前でまるごと一本の焼きトウモロコシ。なにか試されている気がします。
梅雨の入りにはまだ早いなんて。雨も涙も、誰の思う通りではないのです。
また会おう、は嬉しい。でも、また会おう、が寂しいことも知ってください。
カフェラテ、カフェオレ、カプチーノ。つまりコーヒーが好きなのですか嫌いなのですか。
散るからこそ美しい。ええ、仰るとおり叶わなかった恋心は美しいですよね。
白ワインと赤ワインを順に飲んでロゼを楽しむと笑うあなた。意味は問わずにおきます。
カプチーノの泡を笑うあなたの、ビールの泡を笑ってあげたい。
まだ口をつけないりんご飴を落としてしまいました。この深遠なるアクシデント。
あなたの写っていないカメラが壊れたところで、どうということはありません。
奥歯の詰め物がとれました。それを伝えるひとがいません。
ものの本企画ウェブサイト公開八周年です。そろそろ気力も尽きそうです。
ベランダの洗濯ものは誰を思って揺れているのでしょう。
かりんとう、塩味。言葉を失うどころか罵声を浴びせてやりたい。
ひとつの季節が終わったとあなたは言う。まだなにもはじまっていないつもりの日々。
曇り時々、雨。あなたのやさしさみたいで困るんです。
背伸びして、手を伸ばしても届かない雲。たとえこの手につかんでも雲。
積乱雲は雲なのに、誰に思いを重ね誰に心を乱していますか。ねぇ、教えてください。
誰をも褒めるあなた。だから一緒にいたくて、だから一緒にいると苦しくて。
連絡もなく、湿ったまま晴れない日々を、早く梅雨のせいにしたい。
冷たい雨の日に上着を着てこなかったこと、あなたはどう気づいてくれますか。
たけのこの手間なんて、どれだけ思いを寄せても実らない恋に比べたら。
また、いつかみんなで行こうとこたえるあなた。いい加減に諦めろと言いたいのですね。
冬の間は眠っていた恋心がそろそろ目を覚ます頃とみづからに言い聞かせる季節。
パウンドケーキが三千円、と驚くあなた。この手作りチョコをどう驚いてくれますか。
遠回りして一緒の電車に乗ってくれるあなたと遠回りしています。
今、揺れたね、と聞くあなた。胸の内を見透かさないでください。
こんなにくっついて座ってたらアイスクリームがとけちゃう、なんて言ってみたい。
ものの本企画ウェブサイト公開七周年です。先が見えません。
ワインを飲み比べてよろこぶあなた。そんな姿にまで悲しむなんてダメでしょう。
予定もない休日を丸一日図書館で過ごしたというその休日をください。
フルーツが好きと言ってみかんの缶詰を開けるあなたの哲学を聞きたい。
定期購読であなたに届く雑誌を羨むなんて、もう恋以上ですよね。
突然の雷雨で帰れなくなれ。あなたの横で考えることはそんなことばかり。
芝生に座ろうと言うあなた。隣で好きって言っていいですか。
一緒の傘に入りたいんじゃないんです。一緒の場所に帰りたいんです。
すすめた本を借りずに買うと言うあなたが、とてもあなたらしい。だからなんです。
酔いが覚めたらもう二度と手を出さないと決意する、恋とお酒。
蚊に刺された気がします。恋の予感もします。
口のまわりが汚れる前提のシュークリームを好きになる日はいつかくるでしょうか。
鍋の日にあなたは帰ってこない。もう春だからですか。
こしあんの漉された皮の無念を思わない時はありません、こしあん好きとして。
次は一緒に辛口に挑戦しようなんて言うあなたの言葉が甘口すぎて。
年が暮れても、誰もなにもくれません。
冷めた焼き芋をふたつに割って半分を渡されました。その程度ってことですか。
手袋を貸してくれるなんて罪です。うれしいし、ほんとうの手の温もりではないし。
ものの本企画ウェブサイト公開六周年です。息は上がりきっています。
朝のいつもの挨拶が勘違いだったなんて、もう朝はこなくていい。
抹茶があるなら抹コーヒーがあっていいと言うあなた。いいけど、ないです。
ハンカチを忘れたあなたが照れ笑いをするから、毎日忘れてきてほしいくらい。
雲ひとつない空と言えない、雲がひとつだけ浮かぶ空。雲に罪はありません。
カステラと言うと、カステーラと言い直すあなた。この一点だけがどうしても。
雨が止んではじめて、雨が降っていたと知る。恋ってそういうものですか。
一本のみたらし団子を半分コ、うれしいけど奇数です。
いつも同じ月を見てると言ってくれたあなた。でも、そんな月にまで嫉妬してしまいます。
口の中に刺さる芋けんぴは人類の敵です。
一緒のお酒で、たまにはあなたの酔う姿を見たい。そう思う時間にすら酔ってしまいます。
ふたりを近づけた冷たい風も、いつか去ってふたりを引き離す。そんなのは嫌です。
いつも一歩遅れて歩く。見上げる、あなたのうなじが好きとも言えず。
大福餅をカバンの中に落とすと、カバンの中は真っ白の粉まみれになります。
もう二度と会えないなんて、どうしてですか。世界はたったひとつしかないはずなのに。
愛を示す言葉が胸に刻まれ、やがて、その言葉は胸に悲しみを刻みます。
アイスコーヒーでお腹が冷えちゃう。そんなあなたに、こうして胸が温もるのです。
ものの本企画ウェブサイト公開五周年です。さて、この先どうしましょう。
しばらく出会いなんていらない。このしばらくが、すべてを言い表していると思います。
会えない距離に行ってしまったことを安堵するなんて、これほど悲しいことはありません。
あなたの、会いたいという言葉。ただ会いたいのですか、会いたくて仕方ないのですか。
いつか伝えたいと決めた思いは、いつか伝えられない関係になるのです。
隣りに並んで早足なのは、もう帰りたいからだと、どうしたって思うのです。
あなたのいた昨日と、あなたのいない今日、たった一日がこれほど違うなんて。
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もう会わないと決めたのは勇気でも覚悟でもなく、希望と知ってください。
納豆に限って、日が大分過ぎても平気でいられます。
歩みたい道を進めばいいと、朝の太陽があたたかく背中を押してくれました。
数字ひと文字の紙片でも、あなたの手で書かれたものを捨てられずにいます。
集積所で雨に濡れる古紙たちも、いつか救われるのですか。
春はいつも予感を運んできます。その予感はずっと前から胸の内にあったものです。
名前を呼び捨てても構わないなんて、少し前から心の内で練習していました。
今日くらい、いちご大福の是非はよして楽しく過ごしたい。
安寧になびき、とうとう、叶わない思いを受け入れられそうになる。
追い出すことは無理なので、あなたがこの胸から去っていくのを待つしかありません。
ものの本企画ウェブサイト公開四周年です。体力が落ちてきました。
いつか思い出になる、はいつも誰も慰められないのです。
手にのせたみかんのかわいらしさに安堵して、新しい季節を迎えました。
ただひとつ過ちを犯せるのなら、あなたをまだ知らない過去に戻りたい。
巻末の解答を先に読んでしまう。ずっと昔からそういう生き方をしてきました。
これが最後の、を幾度か過ぎて、もう臆病にしかなれません。
ういろうの丸かじりは、はしたないですか。
もう少しだけ一緒にいたい、にキリがないことを思い知らされました。
仕合わせがたったひとつだなんて、それがほんとうなのでしょうか。
はじまってしまったものを悔いても、なにも終わりません。
言葉の重みを量らずに、あなたは隣に座ればいいと言う。
こちらから誘うものとばかり思っていました。喜んでいいのですね。
この絵が好き。ふたり並んで同じ言葉を口にできた、それだけのことなのに。
涙が果てた夜、悲しみは身の内にとどまると決めたようです。
待ってくれているひとと、待っているひとが一致しない、ただ苦しい夜です。
時々こうして顔を見られるだけで満足なんて、そんな嘘を口にしたくない。
ものの本企画ウェブサイト公開三周年です。気力はまだ残っています。
金木犀が香るヴェールを脱ぎ捨てて、これでほんとうの秋が始まります。
ココアが好きだったねと言われ、体の奥が温もりました。どうしたらいいですか。
言い出せないのにどうにか伝わらないかと願う、意気地のないまま夏が過ぎる。
スイカのように、涙が夏の恋を甘くしてくれるなんてないのです。
失う悲しみに臆病になるなんて、まだなにも始まっていないのに。
紫陽花は紫陽花という名を知らずに、それでもきっと紫陽花として雨を迎えるでしょう。
いつか忘れてしまった数々の思い、この胸の内に確かにあったのでしょうか。
あなたがくれた一冊の本をいつまでも読み終えたくありません。
散った桜がその美しさを失うのなら、狂おしいほど思うことはありません。
言えない立場と割り切って癒えるほどなら、眠れない夜なんて来ないのです。
うんと砂糖を減らし、散った思いと飲み込みながらエスプレッソを空けました。
信じたい、信じさせて、信じてる、愛はどこにありますか。
雨の夜に傘を貸してくれました。晴れた朝、返しに行きます。
▶「ものはためしに映画祭 0.9」の開催が決定しました。 無事に終了しました
ふたり歩む姿。母を頼る子、子を導く母親、一緒に生きていくことの確かさでした。
会えることが嬉しくてつらい、この思いをひと言で表す言葉がないのはどうしてですか。
▶「ものはためしに映画祭 0.8」の開催が決定しました。 無事に終了しました
誰にも言えないはずの秘密をそっと誰かに打ち明けたくなる夜があります。
ものの本企画ウェブサイト公開二周年です。どこに向かって行きましょう。
一篇のやさしい詩が胸の奥で小さな種子になる、そんな出会いに恵まれました。
不意に降り出して雨宿り。ささくれがちだった心もいつかしっとりと潤います。
名前を憶えられていて、小さな心が浮き立ち帰る、ただひとりの月夜道でした。
離れたひとの元から日々の便りを届けてくれる、夕涼みの風をやさしく思う。
蝉の声まで肌にじっとりと蒸すよと愚痴る、あなたの夏嫌いが好きでした。
新しいボウルを買って、日の暮れにラッパを鳴らす豆腐屋さんを迎えました。
黒蜜の是非について、わらび餅の好みを比べ合った時間、普段より喉が渇きました。
大切な日を忘れることはありません。明日、あなたはまたふたつ年長になります。
▶「ものはためしに映画祭 0.7」の開催が決定しました。 無事に終了しました
汗ばむから手をつなぎたくないなんて言えた、ある休日の贅沢でした。
▶ 古書販売サイト「ものの本書閣」の運営を始めました。
舗道の上で鼻歌を歌う。白い雲が青い空に透き通っていくようでした。
してほしいこと、ただいてほしいこと、それだけも伝えられないふたりの朝。
悲しみを脱ぎ捨てようとする決心が、春の予感を胸の内まで呼ぶと知る。
冷たい朝日より先に、あのひとのまだ眠る時間を心に思い温もる。
雪の結晶はひとつの迷いもなく、純真に自身のすべてを律することができるのでした。
見上げると星はすぐ手に取れそうなのに、会えない夜の空は無限に奥まっていくようです。
▶「ものはためしに映画祭 0.5 & 0.6」の開催が決定しました。 無事に終了しました
大好きな詩集を膝に乗せ、温めた牛乳を飲みながら午後が来るのを待ちました。
夕暮れの乾いた風が運ぶあのひとの記憶。晩秋を厭うほど思い出は胸にしんと響くのです。
ものの本企画ウェブサイト公開一周年です。これからも地味に地道に。
堀川の水面に街の夜が落ち、肩に寄せたあなたの頬。ふたりの胸にゆれる波でした。
映画を待つ間に本を開く彼女、それを見守る恋人。スクリーンの中ほど美しくありました。
おはぎは断然きなこが好きなんです。近所の和菓子屋さんにそう伝えてきました。
▶「ものはためしに映画祭 0.4」の開催が決定しました。 無事に終了しました
気づけば川べりに夕涼みつつ。夏も暮れゆく寂寥と、ひとり内省する時間でした。
遠く雲のふもとまではしゃいで駆けて行きたかった、あの頃と同じ青い空。
▶「ものはためしに映画祭 0.3」の開催が決定しました。 無事に終了しました
あのひとの横に並んでかき氷を食べる。ただそれだけの一日でした。
破れた恋もいつか忘れる、すべてを洗い流す雨は心の中にも降るらしいのです。
月まで手が届きそうな夜でした。明日もまた笑顔でいられると思います。
いつものバスをやり過ごし、おいしい匂いのこぼれるパン屋さんを見つけました。
朝に花を愛で、本に耽る穏やかな昼下がり、夜にはワインを嗜んでみたり。
▶「ものはためしに映画祭 0.2」の開催が決定しました。 無事に終了しました
桜の姿に心乱された先人のごとく、あなたを見つけた春の心は穏やかでいられるはずもなく。
懐かしい歌をふと耳にして、遠い記憶のあのひとにもう一度ありがとうと伝えたい。
特売のチョコをまとめて買ったら、お店のひとが義理の笑顔をくれました。
▶「ものはためしに映画祭 0.1」の開催が決定しました。 無事に終了しました
夢の中で泣きました。仕合わせである時ほど悲しい夢を見て涙します。
新しい年です。このまま心穏やかに、しんと静寂した朝の空気に包まれていたい。
街はどこも華やかに賑わっています。すべての世界、すべてのひとの心に平安を。
▶「ものはためしに映画祭 0.0」の開催が決定しました。 無事に終了しました
▶「ひとりで一箱古本市」も同日開催です。 無事に終了しました
今日を大切に過ごしたら、昨日を労い、明日の予感に感謝できるようになりました。
文化の日。ウェブサイトを公開しました。
朝食の魚を駄目にしてしまいました。焦がすのはあなたを慕うこの胸だけで十分なのに。