カウンターだけの、質素なお店です。

小さな町のほんの路地裏にあるこのお店。

まっすぐ家に帰りたくない日。
誰とも話したくないのに、ちょっとだけ寂しい夜。
ゆっくりため息つきたい夜更け。
風に震える灯のようなあなたを、ひっそりと待ちつづけています。

あなたが燃え盛る炎のときは、決して見つけられないお店。
でも、あなたの心の炎が揺らぎ、迷い、うつろう時。
スナック風前のともしびの窓辺には、必ず小さな灯がともります。

ご挨拶

ようこそ、スナック風前のともしびへ。

あたしはこのお店のママ、灯子。
あかりを灯す子と書いてとうこ、よろしく。

こんなお店、あったかですって?
お客さん、それってちょっとあんまりじゃない?
ありましたよ、ずいぶん前から。
そりゃあ、こんなうらぶれた路地の一番奥まったところですから、あんまり目立たないですけどね。

気に入っていただいている方には、結構ごひいきにしてもらってるんですよ。
お客さんも、よろしければ今後ともよろしくお願いしますよ。

  ◇

この町に来てどれくらいになるか、ですって?
そうねえ…つい昨日だった気もするし、ずいぶん遠い昔だった気もするわ。
お客さんは、この土地の方?
あら、そう、半年前から…。
どうりで、言葉がちょっと違うと思ったわ。

  ◇

あらやだ、お客さん、お腹すいてらっしゃるの?
お腹のムシが鳴いてるの、聞こえちゃったわ。
簡単なものでよければ、お作りしますけど

そうねえ…。
こんにゃくとナスの煮びたし、ほうれん草の白和えならすぐ出ますよ。
あとは、冷ややっこか、湯豆腐。
ちょっと待ってもらったら、ブリの照り焼きも。

ああ、料理はね、結構好きなの。
大したものはできないんですけどね、ありあわせ。
色気のないものばっかりで申し訳ないですけど。

  ◇

はい、まずはお漬物でもつまんでください。
すぐ用意しますからね…。

あ、音楽はこんなでよかったです?
あたし、歌謡曲大好きで。
ちあきなおみと伊東ゆかりが、特に。ふふふ

灯子、風前のつぶやき

  new!


幸せの予感

新年最初の朝。

「どっちの色がいい?」

訊ねる君の両手に、新しいハブラシ。

ささやかな喜びに溢れる日々が、また始まる。

おたより

暇をもてあますどころか、暇に弄ばれています。

レモンの入れもん

AIのセンスに負けた。

日没

長い夜に備え、何も言わない友の胸を借りる。

秘蜜

もしも口が裂けたなら、何をおいても言いたいこと。

「私、あなたを失ってみたいの」

ゆく夏

町の学校より、一足早く二学期を迎える山の子。

夏休みの最終日、天気は雨。

かき氷を頬張る手を止めて、ダウンジャケットを取りに走る。

夏の約束

食べる前と、食べた後。
枝豆は、必ず別のお皿にいれよう。

空白

とうとう気づいてしまった。

無為に過ごす時間が多すぎること。

雨のせいでも、連絡をくれないあなたのせいでもないことも。

風の色

つゆの頃に吹く風を、トパーズ色と歌った人がいた。

その言葉に、幼心は一瞬にして魅了された。

それからずっと、田んぼの水面を吹き渡っていく風はトパーズ色に見えている。

健康志向

カフェインレスコーヒーに、豆乳と生姜パウダーを加えて飲むのが、最近のお気に入り。

ふと気づく。

豆乳と生姜の組み合わせって、冷や奴じゃないの。

ならば。

冷や奴にアイスコーヒーをかけてみたら、どうかな。

遅咲きの不惑

先日、誕生日を迎えました。

終始、頭の中にはアホなことしか浮かびません。

いくら歳を重ねてもこのままなんだという自覚が、確信となりました。

ねずみ色のねこ

路地でよく、猫を見かけるようになった。

今も、グレーの野良猫が店の軒下で寝そべっている。

「ねずみ色のネコ」

声に出してみたら、バカバカしさが一段と鮮明になった。

エイプリルフール

15歳になったとき、好きな人がいた。
その人も、私を好きでいてくれた。

でもそれ以上、どうしたらいいのか分からなかった。

友達でいようと、嘘をついた。

寒い春、別々の一歩を踏み出した。

摂理というには大袈裟ですが

年があけてからずっと、アンゴラの靴下をはいていた。
ちょっと寒さが緩んだ時に、コットンの靴下で出かけたり、家では裸足になっていたら、しもやけができてしまった。

そういえば去年、暖冬だからとたかをくくり、ずっと夏用の靴下を履いていた友人の足は、春までずっとしもやけていた。

深い傷

少し勇気を出して手に入れたものなのに、早々に傷つけてしまう。
そんなことがあった。

自分が望んで手に入れたものを自分で傷つけてしまったときの落ち込みは、けっこうキツい。

傷の修復と気持ちの回復には「時間と根気」が欠かせないことを、歳を重ねて知りつつある。

でも、自分で自分を痛めつけるように無理をしたり、道化を演じてしまうときは?

傷つくしか救いの術がみつからない時を、多くの人はどうやってやり過ごしているのだろう。

棚に上げて

心もとない気持ちがぬぐいきれないまま決断を下す時が、案外よくある

もっと自信がもてたら良いのに…。
いつも歯がゆい。

だけど。
揺るぎない自信に満ち満ちた人に会うと、クルッと向きをかえて走り去りたくなる。

※事実とは異なる場合がございます

灯子の産業遺産覚え書き。

えんぴつと消しゴム、ガソリンと電気、電話とパソコン、山登りとランニング、りんごとペンとパイナップル。

正しさの答え

今年は、年が明けてから年賀状を書くことにした。
そうしたら、「何それ。失礼な人」
と揶揄された。

無礼を測る物差しって、あったっけ。

新年早々人を非難するのと、戴いた賀状に心を込めて返事をするのと、どっちの値が大きくなるかな。

ああ、でも。
その値は大きいほうがいいのか、小さいほうがいいのか、私には分からないんだった。

はざまの幸せ

松の内を過ぎて、街の空気はゆっくりと日常へ戻ろうとしている朝。

君と私は毛布の中でまどろんだまま、暖かな寝返りを繰り返す。

いつもの休日でも特別な休日でもない、気まぐれにおとずれる名もなき時間。

年の瀬

むかし、暮れになると祖母が話していた。
「年を取ると、一年なんてあっという間に過ぎちゃうんだよ」
小学生だった私は、学校へ行かなくてもいい大人が羨ましかった。

早く年を取りたい。
何よりの願いだった。

20代の終わりあたりから、私の一年もあっという間に過ぎるようになってきた。
40歳を越した今は、さらに三倍速くらいの勢いで日々は過ぎて行く。

十数年前から学校には行かなくてもよくなったけれど、早く時が過ぎるのは、やっぱりありがたい。

子供の頃の夢って、叶うものなんだな。

クリスマス・イヴの昼下がり。
焦げてしまったチョコレートケーキの切れ端をかじりながら、今年も退屈する間もなく過ごせたことに感謝する。

とまどひ

聞き手のいない呟きをはじめて、1年が経つ。
瞬く間に過ぎ去っていく日々に、今は、呟く言葉さえもみあたらない。

予感

いつかその日はやってくる。
随分前から、どこかで感じていたこと。

長い秋の夜を重ね、
打ちひしがれる準備はできた。

言いわけしても

引っ越そう。
不意に思い立った。

新しい部屋を決めてから、住み替えのワケを考える。

部屋が手狭になったとか、もっと静かな所がよくなったとか、こじつけられる理由なんていくらでもあった。

でも。
それを話す相手は、一体誰なんだろう。

ハッピーアワー

会いたい人が、次々と思い浮かぶ。
ひとりぼっちの夜。

記念日

夏バテか。
不意に思う。
それは君の夏バテ記念日。

まだ見ぬきみ

「黄身が二つだったから、今日の玉子焼きはこんな色になってる」

高校二年の夏休み直前。
同級生は、お弁当箱の蓋を開けて言った。

その瞬間、私は口をあんぐり開けたまま、動けなくなった。

黄身がふたつの卵??

双子の卵の存在などその時までまったく知らなかったのだ。

あれから25年。

今日、スーパーで卵を買った。

パックの中に、周囲のものより明らかにサイズの異なる個体を発見した。

思い出した。

私はあれからまだ一度も双子の卵に出くわしていない。

もしや。

妙な期待と緊張で、私の小さな胸は今にも張り裂けそうになっている。

山の夕暮れ

山間の集落で、百人一首をすべて諳んじられるおばあさんに出会った。

学校がえりの子どもたちにせがまれ、老婆は歌を詠む。

一首歌いあげるたび、子どもたちは目を丸くして驚きの言葉を交わしあう。

幼い好奇心を満たしてやるように、おばあさんは訥々と話をはじめる。

子どもん頃、お姉さんたちが百人一首で遊びよるのがおもしろくてね。そのうち私も学校にあがって、札を拾えるようになって。
結婚してからは、子どもたちと一緒に遊んだわね。
何年か前までは、孫たちがくるお正月のお楽しみ。
今はひとりでしょう。一日に一回くらいは声を出そうと思ってね。
毎晩三十首、お布団の中で詠んでるの。

遠くで、お寺の鐘がなった。

おばあさんは、喉を小さく震わせながらぬるくなったお茶を口に含む。
夕陽が、子どもたちの影を伸ばしていく。

紫陽花

少し早く目を覚ました朝、ジョギングへ出かけることがある。
今日、雨上がりの公園を走った。

深緑に茂った木々の下、遊歩道のカーブに沿って走っていくと、鮮やかな青色のモザイクがふと目に飛び込んできた。

雨に濡れた紫陽花だった。

子どもの頃、この花は土の酸性度によって色を変えると教わった。
生かされている場所に合わせて自分の色を変える。
そんなの嫌だなと思い、あの頃は紫陽花を好きになれなかった。

時が流れ、多くの人と出会い、別れてきた。
紫陽花への疎ましさも、いつしか忘れてしまっていた。

母の日の母

ゴールデンウィーク最終日の午後。
鉢植えの花を抱え、実家を訪うた。

「んまあ。こーんな大きいの、持ってこんでもいいのに」

母は、深い皺をまとったまぶたを何度も上げ下げした。

陽が傾き始めた頃。
「あら。もうこんな時間」

母はいそいそと立ち上がり、骨ばった手でテレビをつける。
居間に『笑点』のテーマ曲が流れる。

あはは、あはは。

湯のみ片手にした母が、いつもどうりの日曜を過ごしていることに感謝する。

開通したばかりの高速道路に乗り、街から少し遠ざかってみる。

道沿いの里山は、緑の息吹に包まれて輝く。
90年代ポップスに合わせ、アクセルを踏む。

水を張った田んぼも、畦のタンポポも、目の端に入ったとたんに流れ去る。

歌いだす私に、青空の雲は微笑む。

白髪なわけ

桜の蕾がほころび始めた頃のある晩。友人とバーガーショップに入った。

店内は、よそ行きの服を着たシルバー世代で賑わっていた。

近くで催し物でもあったのかしらね、などと話して友と別れた。

桜はすっかり散り去って、芽吹いた新緑がまぶしい昼下がり。
同じ店へ立ち寄った。
明るい店内で憩っていたのは、あの夜と同じくご年配のみなさま。

街角のバーガーショップは若者がたむろする場所だなんて、古くさい発想なのね。

思いのほか、時は早く流れていると知り、白髪の増えたわけが急に腑に落ちる。

咳でなくても

ずいぶん前に、誰かが店に置いていった犬のおもちゃ。
裏返すとスイッチがついていて、
「ねえ」と話しかけると、ネエと返してくる。

暇にまかせて、スイッチを入れてみた。

瞬間、くしゃみが出た。

はくしょん!
ハクション!

咳をしてもひとり。
かつての俳人を偲びたくなった。

その橋、歌うべからず

たまに通る道に、小さな橋のかかる場所がある。

橋の名前は、アミダ橋。
渡るとき、クジの歌が頭を巡る。

思い浮かべてはならない。毎回自分にいいきかせる。
うまくいったことは、まだ一度もない。

ピーナツとピーナッツ

「グ・リ・コ」「パ・イ・ナ・ツ・プ・ル」

子どもの頃、きっと誰もがやったことのあるじゃんけん遊び。グーで勝ったら3歩進み、パーなら6歩。歩道橋の向こう側のゴールまで。友だちのじゃんけんパターンや残りの階段数をふまえて戦略を練るのが楽しかった。

懐かしいこの遊びに、未解決の複雑な問題が孕まれていたことを、どれほどの大人が覚えているかしら。

その問題とは、チョキあるいはピーで勝った場合の処理方法のこと。

二本の指を立てるあの形をチョキと呼び「チ・ヨ・コ・レ・イ・ト」6歩前進とするのか、ピーと呼んでピーナツの「ピ・イ・ナ・ツ」4歩なのか。あるいは、ピーナツではなく「ピ・イ・ナ・っ・ツ」で5歩なのか。パイナップルの小さいツは、他の音と同列に扱われているのだから、ピーナッツの小さいツだって堂々とカウントされる権利がある。

戦いの真っ只中にいる者としては、大幅にゴールへ迫れるチヨコレイト6歩が良いかな…と思う。しかしそれだと友だちも自分もチョキとパーしか出さなくなってつまらないうえに、新たな問題を生じさせてしまう。

ゲームの面白さという原点に立ち返ると、やはりピーと呼んでピーナッツ5歩もしくはピーナツ4歩でのルール化が妥当なのか…。

この問題が解決されているのなら、誰か教えに来てほしい。
新しいランドセルを背負った子どもたちが、この路地を通り過ぎていく季節になってしまう前に。

ひくかひかぬか

2日前、お腹が少し痛かった。
珍しいな、と思った。

今日は朝、昼、晩と食事を摂った。
3回めのご飯を終えてようやく、昨日までは食欲がなかったのだと気付いた。

なんとかは風邪ひかないって、本当かな。
異変に気づかないだけなのかも。

こんな風に、のんきなことを考えるのに忙しいから。

春先の旅

春一番が吹いた翌日。駅で路線図を見上げていたら、ふと、ローカル線に乗りたくなってそのまま旅に出た。

乗り換えで降りた駅の待合に、制服すがたの中学生らしき男女がいた。

手を伸ばしたら、ようやく届くくらいの距離を置いて座る二人の後ろ姿が眩しくて、思わず目を細める。
記憶の片隅に微かな痛みを感じる。

二人の恋の行方を、辿り着いた地の神社で願う。

さっちゃんはね。

2月になると、幼馴染のさっちゃんと最後に散歩した小高い丘を訪れる。

さっちゃんはその丘で過ごしたあと長い入院生活に入り、2月の寒い日の明け方この世を去った。

さっちゃんには、生まれつきの病気があって、歩くことはできなかった。たぶん、言葉も話せなかったと思う。
でもさっちゃんは、私の顔をみるといつもニコニコと笑った。
顔を見合わせては笑いあう。
それが、私たちの会話だった。

丘の上に立つと、毎年さっちゃんはたくさんの言葉で語りかけてくる。
さっちゃんの分まで生きるなんて大それた約束はできなかったけれど、さっちゃんは、ずっと私を支え続けてくれている。

銭湯

ほんの小さな気がかりに絡め取られてしまう日は、知らない町の銭湯へ自然と足が向く。

「あーれま」「ほうねぇ」「そいでもなぁ」
暖簾をくぐると、どの町の銭湯でも合いの手ばかりの会話に花が咲いている。

皺くちゃの肌、無造作にまとめられた白髪、骨ばった背中をさらす老婆たちにまぎれ、洗い場の片隅で化粧を落とす。
湯気の立ちこめる浴室に誰かの鼻歌が響く。

ふっと、頬が緩んでため息がもれる。

ぬぐいきれなかった小さな気がかりが、湯けむりの中に溶け出していく。

雪の知らせで

「明日は荒れそうだから、やはり行かないでおきます」

大雪が予想された日の前夜、あの人から断りの電話があった。
来てもらう約束など、していないというのに。

予報がはずれたら…。

いつもより早く目覚めて初めて、淡い期待が生まれていたと知る。

冷えた空気に肩をすくめながら、カーテンを開ける。雪は、音もなく舞い降りていた。

この冬初めての雪は朝のうちにやみ、雲間から差し込む陽の光が街を銀色に輝かせた。
ビルの間を縫って吹き付ける風はやがて、澄んだ夜空をこの路地裏にまで運びこんだ。

「べつに、約束なんてしてなかったのよ」

こごえた夜空でまたたく星たちが、私の短いつぶやきに耳を傾けてくれた。

心のすがた

「昨日か今日、誕生日だったよね。おめでとう」

忙しいから仕方ないと、勝手な言い訳を自分にして、離れて暮らす父へぞんざいなメッセージを送る。

「ありがとう。今日です」
メールなど苦手な父から、短い返事が届く。

音もなく流れていく時間の中の一瞬。

形をもたないはずの父の心が、温もりをもって立ち現れた気がした。

新しい日常

初日の出をおがむ。
おみくじを引く。
福袋を買う。

除夜の鐘で払ったはずの煩悩に、あっというまにまみれる。

でもそれは、ささやかな希望だったりもする。

ほんの少し目線を遠くへやり、前を向くための小さな願いをちりばめて、たくましく日常を迎える。

おとしとり

冷たく晴れた冬の日の午後。
傾きかけた陽の光の中、一人と一匹の犬が向こうからやってきて、すれ違い、遠ざかっていった。

昔、笑ったような顔の犬を飼っていた。
年老いたその犬は、ある日忽然と消え、二度と帰らなかった。

今年も暮れていく。

また一歩、命の終わりに歩みをすすめている。

おまけの話

幼い頃、お菓子についてくるおまけを夢中になって集めた。

学校から帰り、なんでもないおもちゃを詰めた宝箱の蓋をあける。
なぜだかホッとする瞬間だった。

開店前。
つまみを作り、折り紙で箸袋を折り、一輪挿しに花を挿す。
「風前のともしび」に添える。他愛のないおまけたちができあがる。

店に立ち寄る誰かの心が、ホッとしますように。
ささやかな願いを胸に、看板を灯す。

まちわぶ ぬくもる

深く差し込むかわりに、足早にさってしまう午後の日差し。
街のイルミネーションが、冷えた夜空に映える。

信仰の果てに多くの犠牲者を出した事件から、今年はちょうど20年だった。
唯一の救いを求めた信者たちは、他の人々と何が違ったのか。
-彼らは煩悩をもてない人たちだった。
ある心理学者はそう答えた。
そのエピソードを話してくれた仲間たちを思い出す。

温かい料理、響き合うグラス、親しい人たちとの再会。
まもなく訪れるであろうひとときに、胸を躍らせる冬の窓辺。

人偲いの歳時記

2015年11月25日夜。
女優の原節子さんが亡くなっていたというニュースが報じられた。
人知れず亡くなられていたことより、ご存命だった事実に驚く。
教育テレビ『できるかな』のノッポさん、俳優高見映さんは81歳、ご健在。
相方ゴン太くんは一昨年の11月25日に幽明境を異にした、享年81。
朔風払葉、冷たい北風が木の葉を散らす頃のはなし。

時のうつろひ

机の上の片隅にアイスキャンディの棒。
かれこれ三か月、ずっと同じ場所に置かれている。
褪せることない「あたり」の三文字。
いつの頃からか、駄菓子屋のおばちゃんの姿は街から消えた。
スーパーのレジでも、アイス一本と交換してくれるだろうか。
木枯らしに震える街の灯をながめて、途方に暮れる秋の夕暮れでした。

■ 灯子ママの新書を深読み! ■

「最近、ため息が多いね」

カウンター越し、常連客のひとりに言われた。
ものの本企画さん、気づけばいつも同じ席に座っている。

「だって、このところお客さんも少ないし」
「読みたい本が山ほどあるって話してたよね。こういう時こそチャンスだと思うけど」
「そんな話をしたこともあったかしらね。忙しい時の、ないものねだり。今じゃ、張り合いもなくって気が乗らないのよ」
「それ、ただのサボり癖だね、直したいと思わない?」
「そんなの、直るものかしら」

灯子の疑い深い眼差しをよそに、御仁は嬉々として話し出した。
すっかり怠惰な生活に馴染んでしまったママだから、すらっと読める新書はどうかな。
本はこっちで選んであげるよ。
ママはただ読むだけじゃなく、きちんと読み切って自分なりに思ったところを書いてみる。
それをお客さんに読んでもらうようにしよう。
読まれるなら書いてみよう、書くなら読まなくちゃってなるものだから。

「そんな難しそうなこと、衰えはじめた私の頭でもできるのかしら」
「衰えてきたからこそ、だね。脳を活性化すれば、お肌も心も潤うだろうし」
「あら、そうなの?」

こうして、新コーナー「灯子ママの新書を深読み!」は誕生したのでした。

深読み!その1


『女の一生』
伊藤比呂美/著
岩波書店/発行
2014年9月26日

波乱万丈、すいもあまいも知り尽くした女性作家の教訓本。

様々な年代の女性の悩みを端緒に、著者がかつてどんな出来事に遭遇し、稀有な顛末に至ったのかが示される。そしてその経験に基づいて、著者が得た知恵や持論へと展開する。
悩める人とのやりとりがない分、著者の言葉は清々しい。

私の痛い過去をご覧なさい。あなたの痛みなど、大したことないように思えてくるでしょう?
でも経験者として、少しばかりの助言を…。
著者の寛大さと同じ女への思いやりと、誰へともないしたたかな笑みが、整然と並んだ活字のそこここに、滲んでいる。

この手の本にハマって過ごした三十代。
自分はこのままでいいのか。
結構切実な問題だった。

なのに。
この本のタイトルを見た瞬間、「こういうの、もういいんだけど」と思った。
重くはないけど、軽い拒否感。
その理由が、自分でも分からない。

何だか気が乗らない。 でも、感想を書かなきゃいけない。
仕方がないから、表紙をめくる。

あ、でも。

なんでこんなにウンザリ感が高いのか、読めば分かるかもしれない。

そう思ったら少し気が楽になって、次のページを繰ることができた。

まずは、小学生や思春期の女の子たちから寄せられた悩みからスタート。
漫画を親に禁止されたとか、大根足だとか、おしゃれの仕方が分からないとか。

トウのたったおばさんからしてみたら、他愛のない、むしろ微笑ましい悩みに著者は丁寧に答えていく。

あったなぁ、私にもそういう時代。
どうやって答えを出したのか分からないけど、いつのまにか悩まなくなってたな。

いや。よくよく考えると、悩みがなくなったというよりも、別の悩みに移り変わっていったというほうが正しいかもしれない。

悩みとは、そんなものなんじゃないか。注射の痛みが怖いから、自分で自分の足をつねってそっちの痛みに気をそらすというのと、少し似ている。

ページを追うごとに、二十代、三十代、中年…と年齢のあがった女たちの悩みとそれへの回答が繰り広げられていく。

二十代半ばの女の悩みのあたりから、拒否感が蘇りはじめた。

自分は何をそんなに嫌がるのか、文字の間を行ったり来たりしながら考える。

悩みと不満はほぼイコールではないか。
家族や恋人、同僚、上司、世間の目。それらが自分の望みを理解してくれない。ささやかなお願いを聞き入れてくれない。自分は何も悪いことしていないのに。私はこんなに犠牲になっているというのに。

そんなボヤキ込みで「悩み」なのだ。

は、はーん。
この辺だな。私が嫌がっているのは。

つい最近、同僚から不倫の悩みを聞かされた。特別な秘密を打ち明けるみたいに、たっぷりの前置き付きで。

彼女の不倫は8年ほど前から始まっていて、その話はもううんざりするほど聞かされている。今更前置きするようなものでもないのだ。
たとえ妊娠、中絶という新しいトピックが加わったとしても。

自分で選んで続けてきたことの結果と、その重さにまつわる苦しみを、他人に話して軽くしようなんて虫がよすぎる。

愚痴など、聞きたくない。
そんな暇、私にはない。

だから思う。
自分で答えが出せず、覚悟が決まらず、とりあえず愚痴を聞いてもらう必要のある人こそ、この本を読むべきなのだ。

そして、気づく。
かつての私は、そういう女だったと。

あの頃よりは、自分のことを自分なりに始末できるようになった。

だけど私は知っている。
我が身の悲劇に溺れるのは、どんなに心地よいものか。

だから、読みたくないのだ。

誘惑に打ち勝つためのエネルギーを、若い頃ほど持ち合わせていないから。
ようやく甘い蜜を絶ったところだから。

悩みや愚痴を撒き散らしてみても、答えは出ない。なにも変わらない。
自分の人生。せめて自分で始末をつけて死にたい。

どうか刺激しないで、そっとしておいてください。
私は著者に懇願する。

思い通りにいかないことが、昨日もあった。
見たこともない著者の面影が脳裏にチラついて、『女の一生』に盛られた毒の強さを知った。


■ 酔いどれ文藝部 ■

来タレ、読ンダクレ

読むこと、飲むこと、語らうこと
その喜びを知る者たち、読んだくれ

スナック風前のともしびには、読んだくれのためだけに開かれる扉がある
扉の向こうに広がるのは、酔いとやさしさに身をゆだねる至福の世界

灯子ママの気まぐれによって選ばれた本を肴に
あなたも時にはぐでんぐでんの読んだくれになってみませんか

▼ 「灯子の書棚」もご覧ください ▼

一夜かぎりの酔いどれ文藝部

きまぐれの風がともしびを揺らします

↑ 無事終了しました ↑

お礼

一夜限りの酔いどれ文藝部には、
3名のお客様がお越しくださいました。

スナックを訪れた理由は、みな違ったけれど。
かけがえのない時間を共に過ごせる幸せを、わかちあえたような気がします。

またいつか、こんな時間がおとずれますように…。

灯子 

✿ ✿ ✿

日時 ☞ 2019年2月15日(金) 19時より21時
 (途中参加・途中退席可能です)

場所 ☞ 大須シアターカフェ

定員 ☞ なし

参加費 ☞ ショバ代:500円 + 酒類代等:実費

課題図書 ☞ 『薬指の標本』小川洋子(新潮文庫で入手可能)

進行 ☞ 灯子(「スナック風前のともしび」ママ)

参加要件 ☞ ママへの愛情と課題図書の読了

付加要件 ☞ 底抜けの陽気、しかし節度ある飲酒、そしてやさしいこころ

問い合わせ・申し込み ☞ info[at]mononohon.jp まで / [at]を@に変えてください

首謀者、進行補 ☞ ものの本企画 http://mononohon.jp

✿ ✿ ✿

ヨンダクレのみなさま、お変わりなくお過ごしでしょうか

みなさまとお目にかからない日々をすごすなか、灯子はひとつ気づきました

儚く消えたともしびがあったとしても、もう一度火をともせばいい

2019年2月15日

スナック風前のともしびに、ふたたびあかりを灯します

なぜなら
灯した炎の揺らめきは
何度消えてもずっと続いていくと信じられるようになったから

さよなら酔いどれ文藝部

ひとつの時代が終わります

ありがとうございました

お礼

スナック風前のともしび・酔いどれ文藝部は、十一の例会をもって盛大な最終回を迎えることができました。

歴代のヨンダクレたちが集い語り、くつろいだ夜更けに、風前のともしびは静かに消えていきました。

ゼロから数え十二回の集いに足を運んでくださった読ンダクレ様、こっそりスナックをのぞいてくださっていた酔ンダクレ様、すべてのヨンダクレの方々に心からの感謝を申し上げます。
本当にありがとうございました。

優しく愛しいヨンダクレとの再会を夢見て、ささやかな火を心に灯し続けるママより。

灯子 

✿ ✿ ✿

日時 ☞ 2018年5月11日(金) 19時より
 (途中参加・途中退席可能です)

場所 ☞ 金山総合駅周辺 お店は決まり次第お知らせします

定員 ☞ なし

参加費 ☞ 酒類代等、実費

課題図書 ☞ 『阿弥陀堂だより』南木佳士(文春文庫で入手可能)

進行 ☞ 灯子(「スナック風前のともしび」ママ)

参加要件 ☞ ママへの愛情と課題図書の読了

付加要件 ☞ 底抜けの陽気、しかし節度ある飲酒、そして穏やかな笑顔

問い合わせ・申し込み ☞ info[at]mononohon.jp まで / [at]を@に変えてください

首謀者、進行補 ☞ ものの本企画 http://mononohon.jp

✿ ✿ ✿

長らくお待たせしていました
酔いどれ文藝部、再開です

同時に、例会は最終回を迎えます

これまでの思い出を胸にめぐらせながら、最後の一冊を手に取りました

読ンダクレの皆様のお越しを、心待ちにしております

酔いどれ文藝部、10の例会

どうにかやってます

↑ 無事終了しました ↑

お礼

気づいた時にはもう、好きでした。

そんな人もいれば、何度読んでも好きにはなれなかったという人もいて。

酔いどれ文藝部10の例会。

3人のお客様とともに、それぞれの心の流れに身を委ねる時間になりました。

ありがとうございました。

灯子 

✿ ✿ ✿

日時 ☞ 2017年8月25日(金) 19時より21時ころ
 (途中参加・途中退席可能です)

場所 ☞ カナヤマギンザ界隈 名古屋市中区金山1-14-9 長谷川ビル

定員 ☞ 5名ほど

参加費 ☞ 酒類代等、実費

課題図書 ☞ 『絵のない絵本』アンデルセン(新潮文庫で入手可能)

進行 ☞ 灯子(「スナック風前のともしび」ママ)

参加要件 ☞ 少しの好奇心と課題図書の読了

付加要件 ☞ 底抜けの陽気、しかし節度ある飲酒、そして穏やかな笑顔

問い合わせ・申し込み ☞ info[at]mononohon.jp まで / [at]を@に変えてください

首謀者、進行補 ☞ ものの本企画 http://mononohon.jp

✿ ✿ ✿

今、ここにないものに思いを馳せる

ただ、そのためだけに

それもまた、贅沢な時間の使い方かもしれません

酔いどれ文藝部、9の例会

調子に乗らず、波に乗りたい

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報告

ヨンダクレのいない酔いどれ文藝部。

やっぱり味気ないものなの?
そりゃあもう。

さわやかな夕暮れの風も、木枯らしのように肌を刺しました。

灯子 

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日時 ☞ 2017年6月17日(土) 19時より21時ころ
 (途中参加・途中退席可能です)

場所 ☞ カナヤマギンザ界隈 名古屋市中区金山1-14-9 長谷川ビル

定員 ☞ 5名ほど

参加費 ☞ 酒類代等、実費

課題図書 ☞ 『ジョゼと虎と魚たち』田辺聖子(角川文庫で入手可能)
※収録されるすべての作品が対象です

進行 ☞ 灯子(「スナック風前のともしび」ママ)

参加要件 ☞ 少しの好奇心と課題図書の読了

付加要件 ☞ 底抜けの陽気、しかし節度ある飲酒、そして穏やかな笑顔

問い合わせ・申し込み ☞ info[at]mononohon.jp まで / [at]を@に変えてください

首謀者、進行補 ☞ ものの本企画 http://mononohon.jp

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ママと誰かとものの本たち

酔いどれ文藝部の見慣れた風景も
優しい雨に包まれたなら、いつもとちがった景色になるかもしれません

ヨンダクレのあなたには、どんな夜が見えそうですか?

酔いどれ文藝部、8の例会

この勢い、止まりません

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お礼

うらうらかな春の宵。
訪れる者はなく、散りゆく桜を見上げるばかりになると思っておりました。

あさはかな予想を超え、灯子の偏愛本を4名ものお客様が取り囲んでくださいました。
全ては弥陀の御計らい。

合掌

灯子 

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日時 ☞ 2017年4月14日(金) 19時より21時ころ
 (途中参加・途中退席可能です)

場所 ☞ カナヤマギンザ界隈 名古屋市中区金山1-14-9 長谷川ビル

定員 ☞ 5名ほど

参加費 ☞ 酒類代等、実費

課題図書 ☞ 『最後の親鸞』吉本隆明(ちくま学芸文庫で入手可能)

進行 ☞ 灯子(「スナック風前のともしび」ママ)

参加要件 ☞ 少しの好奇心と課題図書の読了

付加要件 ☞ 底抜けの陽気、しかし節度ある飲酒、そして穏やかな笑顔

問い合わせ・申し込み ☞ info[at]mononohon.jp まで / [at]を@に変えてください

首謀者、進行補 ☞ ものの本企画 http://mononohon.jp

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春です
心の揺らぎが大きくなる季節
ほんの少しの支えがあれば、穏やかに芽吹きの景色を眺められるはず…
ささやかな希望を胸に、この一冊を選びました

酔いどれ文藝部、7の例会

今年もいきます

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お礼

年明け最初の酔いどれ文藝部。
5名のお客様を迎え、大いに盛り上がりました。
雪もちらつくほどの寒さの底で、人生を巡り、ヨンダクレ達の熱い語らいは止まりませんでした。

皆さま、またのお越しを心からお待ちしております。

灯子 

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日時 ☞ 2017年2月10日(金) 19時より21時ころ
 (途中参加・途中退席可能です)

場所 ☞ カナヤマギンザ界隈 名古屋市中区金山1-14-9 長谷川ビル

定員 ☞ 5名ほど

参加費 ☞ 酒類代等、実費

課題図書 ☞ 『ベーコン』井上荒野(集英社文庫で入手可能)

進行 ☞ 灯子(「スナック風前のともしび」ママ)

参加要件 ☞ 少しの好奇心と課題図書の読了

付加要件 ☞ 底抜けの陽気、しかし節度ある飲酒、そして穏やかな笑顔

問い合わせ・申し込み ☞ info[at]mononohon.jp まで / [at]を@に変えてください

首謀者、進行補 ☞ ものの本企画 http://mononohon.jp

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寒さの底で春を待ちわびる頃なのに、うららかな陽射しの日が多く
戸惑うばかりの灯子です

狂ってしまった季節感に合わせ、今年最初の酔いどれ文藝部には
さまざまな季節と料理を描く短編集をご用意しました

あなた好みの一編は、綴られているでしょうか

酔いどれ文藝部、6の例会

寒さにもメゲません

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お礼

今年最後の酔いどれ文藝部。
久しぶりに3名のお客様がお越しくださいました。
酔いどれ文藝部の名にふさわしく、飲んで喋って笑って飲んで。
少女特有の薄情さと、それに慄く中年男のピュアさを肴に、いつまでもお喋りは続いたのでした。

ヨンダクレの皆さん、今年も一年ありがとうございました。
また来年、語らいの時をともにできるのを心待ちにしております。

メリークリスマス

灯子 

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日時 ☞ 2016年12月22日(木) 19時より21時ころ
 (途中参加・途中退席可能です)

場所 ☞ カナヤマギンザ界隈 名古屋市中区金山1-14-9 長谷川ビル

定員 ☞ 5名ほど

参加費 ☞ 酒類代等、実費

課題図書 ☞ 『ミーナの行進』小川洋子(中公文庫で入手可能)

進行 ☞ 灯子(「スナック風前のともしび」ママ)

参加要件 ☞ 少しの好奇心と課題図書の読了

付加要件 ☞ 底抜けの陽気、しかし節度ある飲酒、そして穏やかな笑顔

問い合わせ・申し込み ☞ info[at]mononohon.jp まで / [at]を@に変えてください

首謀者、進行補 ☞ ものの本企画 http://mononohon.jp

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イルミネーションの光溢れる季節が巡ってきました

輝く街を眺めていたら、酔いどれ文藝部にも華やいだ雰囲気をまといたくなって

今年最後の例会は、少女たちの物語を紐解いてみることにしました

酔いどれ文藝部、5の例会

ほそぼそと、ひっそりと

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ご報告

晩秋の夜。
温める人のない椅子を横目に飲む酒は、骨身に沁みて。

『旅をする木』の舞台はアラスカ。
地球のどこにいても、木枯らしの夜は、人恋しくなるものか。

背表紙の文字をなぞりつつ、夜は更けていきました。

灯子 

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日時 ☞ 2016年11月2日(水) 19時より21時ころ
 (途中参加・途中退席可能です)

場所 ☞ 蛸ん壺 桜山店 名古屋市昭和区桜山町4-70

定員 ☞ 3名ほど

参加費 ☞ 酒類代等、実費

課題図書 ☞ 『旅をする木』星野道夫(文春文庫で入手可能)

進行 ☞ 灯子(「スナック風前のともしび」ママ)

参加要件 ☞ 少しの好奇心と課題図書の読了

付加要件 ☞ 底抜けの陽気、しかし節度ある飲酒、そして穏やかな笑顔

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首謀者、進行補 ☞ ものの本企画 http://mononohon.jp

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酔いどれ文藝部おすすめ、この秋の楽しみ方

それは旅

実際には、旅行などしていられないあなたでも
ほんのひと時、日常を離れていただけますように…

酔いどれ文藝部、4の例会

ご無沙汰ですが、ママ健在です

↑ 終了しました ↑

灯子の初体験

酔いどれ文藝部、4の例会。

雨はあがっても、訪れる者はなく。

堀川に映る街の灯に、心震わす夜でした。

灯子 

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日時 ☞ 2016年9月23日(金) 19時より21時ころ
 (途中参加・途中退席可能です)

場所 ☞ 「なやばし夜イチ・ビール祭り」会場 / 納屋橋周辺

定員 ☞ 5名ほど

参加費 ☞ 酒類代等、実費

課題図書 ☞ 『なずな』堀江敏幸(集英社文庫で入手可能)

進行 ☞ 灯子(「スナック風前のともしび」ママ)

参加要件 ☞ 少しの好奇心と課題図書の読了

付加要件 ☞ 底抜けの陽気、しかし節度ある飲酒、そして穏やかな笑顔

問い合わせ・申し込み ☞ info[at]mononohon.jp まで / [at]を@に変えてください

首謀者、進行補 ☞ ものの本企画 http://mononohon.jp

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残暑お見舞い申し上げます

活字を目で追うだけで、汗のしたたる毎日です
ここまできたら、残暑を楽しむしかありません

そこで

酔いどれ文藝部、4の例会会場には、堀川のほとりを
課題図書には、日本有数の暑さを誇る多治見出身の作家
堀江敏幸の『なずな』をご用意しました

読ンダクレの皆様
川面を渡る涼しい風も良いですが
去りゆく夏を惜しむべく、一緒にぬるい風に吹かれてみませんか

酔いどれ文藝部、3の例会

ノリにノってます

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お礼

三度目の酔いどれ文藝部。
少し背伸びして選んだ『銀の匙』の周りには、四人のお客様が集まってくださいました。

作品の魅力、作者の欠点、書かれた頃の時代背景から現代の国語教育、国家戦略にまで話が及んだ三時間。

酔うことをすっかり忘れた読んだくれたちに囲まれて、灯子は本物の読書会にきているように感じました。

暑い中お越しくださった読んだくれの皆様、ありがとうございました。
またのご来店を、心からお待ちしております。

灯子 

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日時 ☞ 2016年7月2日(土) 17時より19時ころ
 (途中参加・途中退席可能です)

場所 ☞ BRITISH CAFE&PUB OXO アスナル金山店さん / アスナル金山2F

定員 ☞ 5名ほど

参加費 ☞ 酒類代等、実費(キャッシュオンデリバリーのお店です)

課題図書 ☞ 『銀の匙』中勘助(岩波文庫で入手可能)

図書選定と進行 ☞ 灯子(「スナック風前のともしび」ママ)

参加要件 ☞ 少しの好奇心と課題図書の読了

付加要件 ☞ 底抜けの陽気、しかし節度ある飲酒、そして穏やかな笑顔

問い合わせ・申し込み ☞ info[at]mononohon.jp まで / [at]を@に変えてください

首謀者、進行補 ☞ ものの本企画 http://mononohon.jp

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近ごろ、カタカナでコトバを省略しがちの灯子です

分け合うことを"シェアする"とか、やり過ごすことを"スルーする"とか…

そんな時、ふと、言葉をないがしろにしているような後ろめたさを覚えます

酔いどれ文藝部、3の例会課題本は『銀の匙』

あなたは最近、スプーンを"さじ"と呼んだこと、ありますか?
スプーンを匙と言い換えたところで、言葉を大切にしていると胸を張れるわけではないけれど

ヨンダクレの皆さんとともに、語らいの時を分かち合えるのを楽しみにしています

酔いどれ文藝部、2の例会

ますます精力的に

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お礼

人知れず開かれているはずの、酔いどれ文藝部へ、このたびは四名のお客様がおいでくださいました。
ありがとうございました。

日が暮れるとまだ肌寒い、梅雨入り前の夕暮れ。
「文化」への愛を語り放つヨンダクレたちの熱は、いつまでも冷めやらず、喉をからすほどでした。

課題本の内容が軽かったぶんだけ、話は奔放に赤裸々に深まるのでした。

灯子 

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日時 ☞ 2016年5月28日(土) 18時より20時ころ

場所 ☞ BRITISH CAFE&PUB OXO アスナル金山店さん / アスナル金山2F

定員 ☞ 5名ほど

参加費 ☞ 酒類代等、実費(キャッシュオンデリバリーのお店です)

課題図書 ☞ 『にょっ記』穂村弘(文春文庫で入手可能)

図書選定と進行 ☞ 灯子(「スナック風前のともしび」ママ)

参加要件 ☞ 少しの好奇心と課題図書の読了

付加要件 ☞ 底抜けの陽気、しかし節度ある飲酒、そして穏やかな笑顔

問い合わせ・申し込み ☞ info[at]mononohon.jp まで / [at]を@に変えてください

首謀者、進行補 ☞ ものの本企画 http://mononohon.jp

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楽しい気持ちで飲みますか
飲むと楽しくなりますか

読めば楽しくなりますか
楽しい気持ちで読みますか

本を読み、お酒を飲んで、どんな人でも読ンダクレ

そんなあなたを「酔いどれ文藝部、2の例会」でお待ちしています

酔いどれ文藝部、1の例会

例会、本格始動です

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開催レポート

灯子、初めての読書会。
人知れず開かれるこの会を訪れたのは、可憐な二人の猛者でした。
右手に課題本、左手にグラスを携えて、私たちが開いた扉の先に広がったのは「老いと性」の世界。
読んだくれたちは、まだ誰も足を踏み入れたことのなかった深みへと、千鳥足の一歩を踏み出したのでした。

灯子 

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日時 ☞ 2016年3月20日(日) 19時より21時ころ

場所 ☞ BRITISH CAFE&PUB OXO アスナル金山店さん / アスナル金山2F

定員 ☞ 5名ほど

参加費 ☞ 酒類代等、実費(キャッシュオンデリバリーのお店です)

課題図書 ☞ 『神も仏もありませぬ』佐野洋子(ちくま文庫で入手可能)

図書選定と進行 ☞ 灯子(「スナック風前のともしび」ママ)

参加要件 ☞ 少しの好奇心と課題図書の読了

付加要件 ☞ 底抜けの陽気、しかし節度ある飲酒、そして穏やかな笑顔

申し込み ☞ info[at]mononohon.jp まで / [at]を@に変えてください

首謀者、進行補 ☞ ものの本企画 http://mononohon.jp

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啓蟄を過ぎ、本の虫たちも動き始める頃。満を持して第1回酔いどれ文藝部を開催します

今回ご用意する肴は佐野洋子著『神も仏もありませぬ』

肴を巡ったり巡らなかったり、くつろいで語りあう春の宵を予感するのは、灯子だけでしょうか…?

読んだくれの皆さまのお越しを、心よりお待ちしております

酔いどれ文藝部、0の例会

本例会のプレイベントとして開催します

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お礼

人知れず開かれる酔いどれ文藝部。
プレイベントの第0回は2名のお客様が足を運んでくださいました。
読んだくれの名にふさわしく、話題はアート・ボウズ・チーク・モヤシまで、思うまにうつりゆき、語らいは夜更けまで続いたのでした。
ご参加くださった読んだくれのみなさま、ありがとうございました。またのお越しをお待ちしております。

灯子 

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日時 ☞ 2016年1月18日(月) 19時より21時ころ

場所 ☞ くいものやポカラさん 名古屋市昭和区台町3-6

定員 ☞ 5名ほど

参加費 ☞ 酒類代等、実費(割り前勘定)

課題図書 ☞ 今回はありません

図書選定と進行 ☞ 灯子(「スナック風前のともしび」ママ)

参加要件 ☞ 大いなる興味本位

付加要件 ☞ 底抜けの陽気、しかし節度ある飲酒、そして穏やかな笑顔

申し込み ☞ info[at]mononohon.jp まで / [at]を@に変えてください

首謀者、進行補 ☞ ものの本企画 http://mononohon.jp

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思いがけないところに宿る縁
酔いどれ文藝部、第0回
今回、灯子ママの用意する肴は、ほんの小さな出会いです

一日の終わり
ほっとため息つきながら、まずはお酒でくつろいで
偶然居合わす誰かと言葉を交わし、心もほころばせてみませんか